「承認欲求、自己肯定感」
こういう、ひとまとまりの言葉を聞くともっともらしく
承認欲求だからダメだとか
自己肯定感を持てないからダメだとか
そういう「一か百」かという思考に陥ってしまうことがあります。白か黒か思考ですね。
私は、臨床で出会う人と本当に出会いたいという思いで
もっと多くの症例に対応できるように「トラウマ」というキーワードでここ最近はトレーニングを受けています。
その中で「less is more」ということがとても拠りどころになっていて、直訳すると、「少ないことが豊か」ということです。
ゆっくりと、少しずつという感覚です。
ちょっとでもダメだと真っ黒になってしまう
ちょっとでも出来ないと、ダメだというところに入る。
そんなせっかち志向というのか完璧志向というのか
そういうものは現代病なのかもしれないし、私にもあります。
頭の中の考えはとっても早いスピードで私たちを急かすけれど、感覚やからだ、私たちの巡りはとてもゆっくりです。
だから、本当に少しずつでいいんですね。
(・・・と、じんわり広がっていくと)
ちょっとずつちょっとずつ
それぞれが毎日の生活の中で積み重ねているものは
まるで大きな源流に向けて流れていっているようですし、自分のものだけではない感覚になります。
承認欲求や自己肯定感という言葉のない世界では
私たちはいつでも、全体性というところに向かっているようです。
中学生などに自信が持てないんですと言われると
先生だって、40半ばになってようやく自信ってなんなのかようやく分かったところ、とおしゃべりすることがよくあります。
きっと、これは50半ばになってもそう言っているような気がします。
そんな感じで、私たちはいつでも道半ばなのではないでしょうか。
そして、それでいいんですね。